お互い終始無言で、
ゼロットの所まで来たが
リンリンはまだ諦めていなかった。
どうにか抜け出せないかと
あたりをキョロキョロと見て、
ココノエに隙が出るのを狙った。

「はい!これがゼロットね!
これでシラヌイ様の
とこまで行くからね!良かったねー!
君たちLone Wolf組がこっち側に来れて」

「君達…?お前!神器と器を集めて
どうする気だ!!!」

リンリンが睨むと
ココノエはシラヌイと同じような
冷たい目でリンリンを見た。

「お前。じゃなくて
帝国軍兼秘密警察組織の
ココノエ大佐だよ」

「帝国軍兼秘密警察組織…!」

誰もその名を知らない者はいない。
己の正義を貫き通す為なら、
死人が出ようが里が滅びようが関係ない。そんな恐ろしい組織に
リンリンは捕まってしまったのだ。

(鈴王はあの時…反応しなかった…?
母君が使った時は神社に来た
人々の邪気を一気に払う程だったのに…
昨日母君から私に託されたばかりだから
まだ私の力と融合しきれてないのか…)

リンリンは自分の中にいる
鈴王の力が完全ではないと気づき、
暫くは大人しくしてるしかないと
ココノエに続いてゼロットに乗った。