「アレン!危ないよ!」

「大丈夫だって!ラウルほらこっち!
Spellの爆発があっちで見えたんだって!」

「どっち!?」

「そっち!!!」

手を繋いで夜の森を駆け抜ける。
手を引くアレンと引かれるラウルは
暗くて何も見えない中、
ただアレンの勘を頼りに森を駆け抜ける。
ラウルが不穏な空気を感じ取り、
辺りを見渡すと、帝国軍の二等兵と、
帝国軍の少佐が歩いているのが目に入り
慌ててアレンの手を自分の方に引いた。

「待ってアレン!
帝国軍の二等兵と少佐がいる」

「えっ!?」

アレンとラウルは茂みに隠れ、
その一行を見ると、少佐と二等兵の間に自分達と同じくらいの少年がいる事に
気が付いた。

「ラウル!あの方は帝国軍に
行かせてはならない!」

「うん!急いで、
アレイスト司教様に伝えなくちゃ!」

アレンはSpellで梟を描くと、
その鳥にSpellで書いた文字を込めた。

「行け!」

「アレン!
私達はあのお方の後をつけよう?」

アレンの手を引いて、
ラウルは静かに帝国軍の後をつけた。