次の日。昼休み。

舞彩と中庭で弁当を食べていた。

こんな暑い日なのに、他の人も食べに来ている。

私達が今いる場所からは、保健室が見える。

でも暑い日だから、カーテンが閉じている。

…開かないかなーとか思ったり。


「…ねぇ、桜葉?聞いてた?」

「ん?あぁ!ごめん、何?」


舞彩は私に肩を組み、小さい声で言った。


「桜葉の好きな彼とは会えた?」

「全く。」


そっかぁ、と舞彩は伸びをする。


「ね、一回行ってみなよ」

「無理だよ…、葵嫌がってるだろうし…。」

「桜葉辛そうだよ。会って、言いたいこと全部言ってきなよ」


言いたいこと全部…。

謝りたいし、聞きたいし、伝えたい。

でも話したいことは1つだけ。


「でも…」

「あ、先輩。今日の部活桜葉休みます。…そうですそうです。はーい。」

「…」


何勝手に電話してんだ…。


「貧血で休みますっていっといたから。」

「どんだけ私血足りないの…」

「まぁまぁ!いいから放課後行ってこい!」



明るく舞彩が笑い、私の背中を叩く。

…そんな簡単じゃないんだよ。何回も行こうとしたけど、無理だったんだよ。