彼と出会って一ヶ月。
季節はすっかり夏になり、蝉たちが騒いでる頃。
深夜、布団の上で私はずっと悩んでいた。
(もう、会いに来ないで)
私、しつこかったのかな…?楽しくて、また会いたいと思ってたのは私だけだった。
彼は望んでいなかった。
「…会いたいなぁ…」
彼のあの一言から、私は彼に会いに行くのをやめた。保健室にも行っていない。
枕に顔を埋める。もう寝よう。
「…」
目を閉じる。
「…ぅ…っ」
目を閉じると彼の顔が浮かぶ。
笑った顔、泣いた顔。
全部、大好き。
彼は夢にすら出てこない。
もう、頭の中でしか、記憶の中でしか会えないのかな…。
こんなに悩んでるのは私だけ?
今夜も、涙が止まらなかった。