「リュウキー! せめて一段だけでもいいから持って来い!」
「お、おうっ!」
レイに怒鳴れ、俺は籠を持ち、向こう側にある荷馬車に向けて歩き始めた。
「……ハァハァ」
すぐに息が切れた。
どんだけだよ、なんで平然歩けんだよ。
ロイドなんか時折よろけているのに……、
――ガッ
「うわっとぉ!」
足下が見えずに歩いていたため何かに引っかかり、
思わず籠を上に放り投げて、俺は地面に突っ込んだ。
――ゴオォッ
「!?」
直後に吹き荒れた風が放り投てしまった籠に纏わりつき、ゆっくりと地面に降りた。
「……」
……なんだ今の?
呆然としていた俺の頭に強い衝撃が、
見るとレイが魔法書片手に肩を震わせていた。
「危うく食材がダメになるとこだったでしょーが!」
「悪い…」
今の風はレイが?
けど、前方にいたよな。