〈side.Ryuki 〉
「……すまないねぇ、今日はよろしく頼むよ」
「気にしませんよ。 後、遠慮なくあの三人もこき使っちゃって下さい」
「「「……」」」
レイと知らない女性(六十代)が親しげに話している。
それを状況理解不能である俺ら。
……事の発端は、早朝だったな。
学園から離れた男子寮の二階のほぼ中央の部屋で俺は寝ていた。
ふと耳元で俺の名前を呼ぶ声が、
初めは夢だと思っていたがだんだん意識がハッキリとしていく。
「……キ……ウキ、起きろっ!」
「……!!?」
ついには耳から激しい痛みが襲ってきた。
ガバッと起きあがると、
「はよー!」
元気な声と爽やかな笑顔のレイがいた。
「……は?」
「ほらほら、起きたんならさっさと着替える! 手伝うからさ!」
無理やりベットから下ろされクローゼットの前まで連れて行かれる。