姿が段々と分かってきたかと思うと、
「た、助けて!!!」
見覚えのある人物が俺に抱きついた。
「に、ニーナ!?」
「リュウキィ……ぐすっ」
安心したのか泣き出してしまった。
俺はなだめるかのように頭を撫でる。
この状況を理解していない人物が一人。
「……え、リュウキの……恋人?」
レイが首を傾げながら聞いてくる。
この質問よくされるなぁ。
だから、こう答える。
「双子の妹だ」
事実だし。
「双子!? …似てないね」
「よく言われる」
少しかがみ込みいまだに泣き続けている妹の涙を手で何回も拭う。
20センチも低く腰が痛くなってきた。
「どうした?」
「あ、あいつが無理やりキ、キスしようとしてきて…にげてきたの!!」
「無理やりキス……」
レイの顔が怒りに歪んでいる。