ずっと目を閉じていたから何が起きたのかが分からない。


兎に角男の子の声と時折シュルシュルと何か動く音が聞こえる。


恐る恐る目を開けると驚くべき光景が。


「!?」


どこかから生えてきたのか木の枝が男の子の体に巻き付けて動けない状態になっている。


「……何が起きたの?」


ポカンと呆けていると、


「……大丈夫?」


前方から歩いてくる緑髪の女の子が、


……わぁ、可愛い子だなぁ。


と、思っている場合ではないね。


「あ、はい」


私は「ありがとうございました」と言って頭を下げる。


「……いいよぉお礼なんて。 困っている人を助けるのが当たり前だもん。 それにキミ、無理強いはダメだよぉー」


私に向けてニコリと笑った後、吊されている男の子に視線を向ける。


「……てめぇの仕業かっ! 早くほどきやがれっ!」


「ダメ」


睨まれているとも気にとめもせずに女の子は言った。