〈side.Sprit2 〉
「……あれ、ここどこだろぉ?」
くわぁと欠伸しながらフラフラと歩いている。
ウーちゃんはアーちゃんと通信していたしアァちゃんは本に夢中になっていたから……。
ちょっとだけ抜けようかなーと思って、
レーちゃんに言われてから一人でいる事が少なくなったから、この隙にこっそりと行けばバレないし!
……と思って動いた結果、迷ったな。
「……ま、いっか」
わたしは今眠いし、
誰も通らない所で寝ちゃおう。
最後には誰かが必ず見つけてくれるし……。
と、何番目かも分からない本棚の角を曲がろうとして、
「……?」
先客二名(男女)がいた。
……遠くから見ても目立つ髪だなぁ。
ん?
小柄で桃色の髪の女の子を長身の男の子が両手で壁に押しつけている。
女の子が泣きそうになっていて震えている。