この場に誰もいなかったことに安堵し手を離す。
あれ、誰も?
ふと違和感を覚える。
「ふはぁー、ウェンディーいきなりどうしたのー?」
深呼吸しながらアースは首を傾げた。
「……レ、レイにい、言われた、じゃない! わ、私達は、数千年も、い、生きているって事は、知られるなって…!」
「……そうだったわー」
ゴメンと言うように顔の前に両手を合わせる。
「……もうっ」
私は呆れ顔で両手を腰に当て、
「!」
違和感の正体に気づいた。
「リ、リーフが、いない?」
「へっ!?」
アースが驚きキョロキョロと周りをみる。
緑髪のツインテールの少女が忽然と姿を消した。
……というより、私が通信の為にこの場を離れアースは例の本に夢中になっていたため、リーフに誰も気にかける精霊がいなかった、
と言えば良いかもしれない。