「俺は今一時的に杖を没収されてんだよ! されてなければ今頃シールドどころか火で炙ってた所だ!!」
一気に話し、はーはーと息を整える。
「……ごめん」
「謝るな! むしろ服を乾かしてくれたんだ、俺がありがとうといいてぇよ!」
「……そう」
女はじっと俺を凝視するとハァと息を吐き、
「あんた黙ってればカッコイイのに…なんか残念ね」
「!?」
「……言い過ぎちゃった」
両手を合わせてペロッと舌を出す。
その仕草が妙にあっている。
「今更ながら自己紹介するね。 あたしはレイって言うの。 あなたは?」
「……俺は、リュウキ。 リュウキ・デュナミス」
「よろしくね、リュウキ」
「こちらこそ」
互いに握手をしようと手を伸ばしたが、
「……!」
トンネルの中で突如悲鳴が響き、一斉に視線を移す。