その束の間、
`……!?´
突如として襲いかかる悪寒と、
――ヴォオォオオオッッ!!
突然の大男の叫び声がビリビリと肌に痛いほど突き刺さる。
「……れ、レイっ!」
「分かってる!」
あたしは魔法書に両手を翳し、
「……――'我が魔法書扱いし者、名を……と申す! 今ここに七つの大罪の一つ、"憤怒"を宿いし汝の闇を我の光で打ち払わせたまえ!'」
唱えると同時に五星亡を描き、
――グガッ!?
終えた時、五星亡が大男の足下に現れ光り始める。
……闇に勝つには光が必要。
だが光を使えるのはこの代々受け継いできた魔法書だけ。
つまりあたしだけしか使えない。
――グガッ…グァアアアッ!!
大男は五星亡により縛られたが抜け出そうともがき始める。
「そんな事しても無駄だよ」
だって……。