ガンっていう派手な音が店内に響き、静寂。
「!? アニキっ!!」
「……てめぇっ!!」
一部始終を見ていた二人の山賊が飛びかかってくる。
それらを避け、あたしは一人の腕を掴みもう一人に目掛けて投げ飛ばす。
「ぎゃあっ!」
「ぐあっ!」
叫び声を同時に上げテーブルを叩き割った。
「……'風よ彼らを吹き飛ばしたまえ'」
その隙にウェンディが霊力を唱える。
――ヒュウウウッ
どこからか風が吹き荒れ、この場にいた山賊達を巻き込み屋根を吹き飛ばし、
外へ追い出された山賊達は、
「「'土よ(森よ)…奴らを捕らえたまえ'」」
――ビシビシッ
土と森の霊力により逃げられなくなった。
それは居酒屋から出て確認でき、
あたしは土に身体を埋められ、木の枝に縛られた山賊達の状態を見て哀れみを感じてしまう。