スラリとした細い身体、それなのに出ている所は出ていて、年上の印象を漂わせていた。


服装は男物の白いノースリーブの上に薄灰色の上着にズボン。


上着の胸元にバッチをつけている。


表情は大人びていて髪はショートの蒼空(そら)にとけ込みそうなほどの蒼。


「……」


「……」


見つめ合って数秒。


先に口を開いたのは女の方。


「……とりあえず服を乾かすから動かないでくれる?」


「……っ」


背丈170の俺より1、2センチ低いかもしれない。


細くキレイな手が俺の頬に触れた。


――パラッ


同時に本をバックから取りだし、


「……'風よこの者に纏いし身体を乾かしたまへ'」


凛とした声を響かせたかと思うと、吹いてなかったはずの風が纏わりつく。


不思議と寒さは感じなかった。