「ありがと! こんな普通の顔なのによくカッコ良くできたよね」


「「「「「こんの無自覚!!」」」」」


なぜか声を揃えて怒鳴られた。


「……ご、ごめん。 じゃあ、ウェンディ行こっ!」


「っえっ!?」


あたしはウェンディの手を引いて勢いよく店のドアを開いた。


`……´


バッと視線が一気に集中する。


あたしはウェンディの肩を抱き一番手前の席に座る。


「……いっ、いらっしゃいませ、ご注文、は、何でしょうか?」


髪を上で結んでいる女の子が半紙を片手にテーブルの前にきた。


声が微かに震えている。


「……とりあえず。 何かオススメ頂戴?」


「かしこまり、ました」


「後……」


山賊達の見られないように、片手で女の子の顔を近づけさせては耳打ちする。


女の子は頷いて店の奥に消えていった。


これを基に戻ってくる事は無いだろう。