「大丈夫ですか?」
幸い怪我はしていないようだが遠くから見るよりもこの村人の細さは一目瞭然だ。
よく見ると周りは痩せすぎている人が多い。
それに瞳の色に"絶望感"が見えた。
よほど山賊からひどい仕打ちを受けているな。
ギリッと歯を鳴らした。
「あ、あなた…は?」
村人の男が恐る恐る聞いてくる。
「あたしは、あなた方の味方です。 すみませんが事情を詳しく教えて貰えないでしょうか」
「わかりました……」
その村人の話は紙に書かれている事より詳しく、あたしから見ても言葉を失ってしまう程だ。
山賊は全部あわせると13人。
村人達は住んでいた村を乗っ取られた日から自由を奪われ、
山賊達は殺人、強奪、強姦などを好き勝手していた。
その内リーダー格となる人物はここから奥に住んでいた村長の家に居座っているらしい。