「……遅いし」


それにさっきから俺何一人で誰にベラベラ説明してたんだよ。


歴史書に全て書かれていたから読んでるうちに覚えたんだ!


正直虚しいんだよ!!


……はぁ。


その時俺は気づかなかった。


魔法書使いがすでに近くにいた事も。


「…………ん?」


ふと俺を頭上に映る不審な影。


だんだんと大きくなり…それは……、


大量の"水"だった。


――バシャバシャッ


「冷てっ!!!」


それを頭からかぶりびしょ濡れ。


「っ誰だよ!」


「……あー…ごめんね~」


悪気なんて最初からなかった、と言うように数m先の茂みから聞こえた。


声色からして"女"。


ガサガサと茂みから姿を現した時、俺は息を呑まざるおえなかった。