「――……元から狙っていたんですけどね」
「……!? ウソ……!」
ソフィさんの表情は驚愕に歪む。
「……あれって」
「……」
遠目からだけど見た事がある。
かつてソフィさんの後ろについていた護衛達だったからだ。
「本当は隙を見て一気に潰す予定でした。 ですが、剣士が常にいたために予定が狂ったんですよ」
「か、のじょは強いよ。 何せ姫様の護衛はしてたほどだもの」
挑発にのせようとするようにレイはニヤッと笑った。
「え、えぇ…それは予想外でしたね。 平民にそこまで警戒されるとは思いませんでした」
「……って事は、剣士を引き離すために囮を使ったのね」
「そうです。 貴方は物分かりがよろしいですね。 誰かさんと違って」
ニッコリと気味悪い程の作り笑いを浮かべると、ビクリとレイの後ろにいるソフィさんの身体が震えた。
レイの目がスッと細くなる。