〈side. Ryuki 〉

「到着!」


年に一度の双月が重なる日。


案内された所は森に囲まれ、中央だけがぽっかりとあいている。


いつもの白シャツにズボンスタイルのレイが光が差してある空間に立った。


「こっからよく見えるんだけど、木を登ったら一段と見える」


「さぞ景色がいいんだろうな」


「高い丘だし、城にいる気分になるよ!」


そう言ってレイは木に足を掛けて登り始めた。


「実はというと僕も木登りが得意なんだ」


「以外だな」


「アハハ……」


ロイドに言われ、ナルシスは苦笑いする。


「ソフィに聞いてみたら、知っているって言ってたからさ。 ここで直接会うよ」


葉から頭を出したレイは身体をひねり、地面に着地した。


「……あ」


その時何かを見つけたのかニーナが声をあげて指を指した。


あの髪色は、イリーガル家の令嬢。


だが、様子がおかしい。