「あ、ロイド君!」


「ニーナちゃん、転ぶから危ないよ」


俺を見つけたからなのか小走りで向かってくるニーナとその後を追いかけるナルシス。


「ニーナ、リュウキいたぞ」


「え、どこに!? あれ、レイちゃんは?」

ニーナもマリーヌ同様に聞いてきた。


同じ質問にはもう答えたくない。


「……俺、帰るから」


「「え!?」」


「なんで? まだ中盤にもなってないじゃない」


マリーヌが止めに入ろうとしていたが、一度言った事に曲げる気はない。


「疲れたんで。 すぐに寝たいんです」


「ロイド君、規則はどうするんだい?」


「何とかなるだろ」


今の所教師はいるけど見張っている様子は全くない。


「じゃーな。 楽しめよ」


背を向けた所で腰に何かが巻きついた。


「も、もう少しいようよ!」


「!?」


それがマリーヌの腕だとすぐに気づいた。