「あたしだってそうだよ…リュウキが好きなの。 友達としてでなくて!」
また、ギューッと抱きつかれた。
……今の発言って、
「……マジか?」
「マジよ」
「……」
「リュウキ、顔真っ赤!」
俺の顔を見てレイが吹き出した。
そういうレイだって顔赤いだろうが。
……と、言えるはずなくつられるように笑った。
しばらく笑いあい、レイに手を引かれ立ち上がる。
「ここで踊ろっか!」
ここから微かに曲が耳に届く。
ゆったりとした演奏からアップテンポの演奏に変わっていた。
そういえば、踊りを誘うときに言う言葉あった。
レイはドレスの裾を掴んで恭しく一礼する。
「……私と踊っていただけませんか? ジェントルマン」
「喜んで。 麗しきレディ」
俺が出した手をレイがとりステップを踏み出す。
夜空の双月がスポットライトのように優しく照らしてくれた。