「……ダァチ、いつ男に戻ったの?」
「先程。 実家の呼び出しと言う事で抜け出した」
ダァチは苦笑いをしながらも答えてくれた。
「そうだ。 マリーヌが心配してた事は杞憂だよ。 ソフィは異性に苦手意識を持ってるから」
「え、そうなの?」
「「?」」
あたしが言った事にマリーヌが驚き、ロイドとダァチは首を傾げた。
「……ダァチさ、自分の素性を話してないでしょ?」
「あー…初めから"女の姿でつけ、素性はバラすな"と言われたな」
「つまり、そういう事」
「……どういう事?」
頭の中では疑問符が埋め尽くされているだろう。
ダァチしっかり!
「……だから、そのまま継続しなさいね」
ニコッと笑い、そのままの表情でマリーヌの肩を掴んだ。
「だから心配しないで王宮にいなさいよ」
有無を言わせないように言葉に圧を入れた。