「初めてニーナとナルシスに言葉を遮られた!」
「驚くとこ、そこか?」
「よく遮られるマリーヌの気持ちが分かった気がする」
「……言葉を切られた驚きと続けようにも続けられない虚しさか?」
「そんな感じ」
ロイド、分かってる!
「――……やめてちょうだい。 気持ちを代弁されてるようで悲しくなるわ」
「「!」」
背後から聞こえた声。
振り向くと黄の豪勢なドレスに身を包んだマリーヌがむくれていた。
「……いつの間に?」
「今の間」
ぷいっと頭を横に向けた。
「これからだっけ? スピーチ楽しみにしてるよ!」
「! わ、分かってるわ」
緊張しているのか、落ち着きがない。
こんな時にダァチが側にいるはず何だけれど事情から……、
「……姫!」
……ん?
人混みを避けてマリーヌの側にかけてきたのは、
女装姿ではなく正装に着替えたダァチだった。