あたしはシンプルに黒のドレス。


身体のラインがはっきりしていて、大人っぽいデザインだ。


おまけとして店員さんから貰った銀のネックレスをつけている。


「……どう?」


「似合ってるよ!」


「あぁ」


「髪の分け目変えたらもっといいと思う!」


ニーナが手を伸ばして前髪に触れた。


「ピンが欲しいな。 リュウキどこだろ?」


――ドキッ


……そう言えば今朝は一回も見てない。


会場を見ても赤髪がどこにもいないし。


「……まだ、来てないのかな?」


ボソッと呟いたつもりが聞こえてたらしく、


「えー、時間厳守なのに? 来てると思うんだけど、迷ってんのかな?」


ニーナが悩ましげに身体を動かす。


「ニーナ、ピンは「私、捜してくる!」」


「いい「僕も行くよ」」

「あ!」


「……」


二人は人混みの中に入ってしまった。