「もうそろそろ移動を開始して下さい。 レミリア様もお待ちしておりますよ」
何人もの衛兵を後ろに付けられ部屋からでる。
目線が少し高くなった事で落ち着かない。
「……レイリア様」
ずっと隣で歩いていた大臣の顔が近付いてくる。
「……分かってるから」
そう言うとニコッと笑った。
連れてこられた先はステージの裏側。
そこに先客が立っている。
「……レミリア」
あたしが声をかけるとピクリと肩が震え、
「……レイ」
黒いシンプルなドレスを着ているレミリア。
以前とは打って変わって弱々しい姿だった。
「レイが元気になってよかった……」
「お陰様で。 なんか、随分と痩せたんじゃない」
顔も首も腕も、見える範囲からでも分かりやすいほど痩せこけていた。
「きちんと食べてたの?」
あたしが聞くとレミリアは弱々しく笑う。