〈side. Rei 〉

「はぁ~…」


大きなドレッサーの前で大きな溜め息をつく。


「レイリア様お似合いですよ」


「どうも」


「レイリア様これをおつけ下さい」


「いらない。 違和感とか感じて落ち着けない」


髪と瞳と同じ色のドレスを着て、装飾品はネックレスだけにした。


あたしの着替えに手伝ってくれたメイド達はきゃあきゃあと騒いでいる。


「化粧はやらなくていい?」


「だめですよ! 公の場に立つために必要です」


「レイリア様は元がよろしいから必要ないかと思いますが……」


「ここは私にお任せ下さい!」


言わなきゃよかった。


唇に紅を引かれながら一人後悔してた。


――コンコンッ


「レイリア様、準備はできましたか? おや、お綺麗ですよ」


「……」


どうして周りはこうお世辞を言うのかな?


化粧をしただけで何も変わらないのに。