「で、ニーナのサイズが合わなかったからあたしのを貸したわけ」


「……全部丈が長かったんだもん」


プクッと頬を膨らませる。


「しかし、大臣も良い所あるんだな。 謝ってくれたり、服を貸してくれたりとか」


「「……は?」」


ロイドとマリーヌが有り得ないという表情で俺を見た。


「一体何を勘違いしている」


「……言い方が良くても、遠回しにバカにしてるのに気付いてなかったの?」


「……え?」


何の事か分かっていない俺を見て、同時に溜め息をついた。


「言っておくが、謝った時は俺以外を"そのご友人"と一纏めにしてたんだ。 つまり、相手の名前を覚える気はないと言っているのと同じだ」


「ロイドの名前を言ったのは?」


「あれば今朝、『下級人の中にもまともな人はいたんですね』と皮肉めいた言葉を言われた時に思わず」


それでさっきは機嫌が悪かったのか。