「いい加減にその胡散臭い笑顔やめなさいよ」
「何の事です? 私はレイリア様が活き活きとしたお姿を拝見できた事に嬉しく思ってるのですよ」
「どーだか」
レイは大臣の前田と喧嘩腰になる。
ただ、突っかかる事はしなくなった。
大臣はシュンとした顔になると、
「私はロイド様とそのご友人に下級人と罵ってしまったことを非常に反省しております」
「……っ」
ロイドの表情がレイと同様に険しくなった。
俺はそんなロイドを横目に見て疑問に思った。
「それで、レミリアは元気?」
「えぇ、レミリア様は先程朝食をお取りになりましたよ」
「本当に? だったら今日は門前払いにはしないよね?」
「本当ですよ。 ですが今夜までは面会は我慢してください」
「そう……」
ハァと深い溜め息をついて、レイは大臣に背を向けて歩き出した。
手はギリギリと握り締めていた。