「あたしの完全勝利!」
リボンを握りしめた手を高々と上げ、叫んだ。
「レイねぇすごーい!」
ジュリア様がレイの元まで駆け寄る。
嬉しさを隠しきれない程、表情を崩し、
「本当皆には感謝するよ! お陰で身体能力が戻った気がする!」
「それは、お互い様でしょ」
「レイにつき合ってると、俺まで鍛えられるというか……」
マリーヌ、ソールがレイの元まで歩いていく。
俺も二人の後を追った。
「レイ、それ返せ」
ロイドが言ったそれとはリボンの事。
「え、それよりロイドがさっきから機嫌悪いのが気になるんだけど」
「……悪い」
リボンを手にし、慣れた手つきで後ろでに結わえる。
――パチパチパチッ
「お見事でした」
王宮側から拍手をしながら来た大臣。
大臣は相変わらずの笑顔だ。
レイの表情が一変して険しくなる。