――ピキッパキッ


ドラゴンが足元から氷付けにされていく。


「初級の段、トルネード!」


つむじ風が巻き起こり巨大化していく。


――ドンッ


トルネードが氷付けになったドラゴンに突っ込んだ。


氷にヒビが入り、砕け上空に飛ばされる。


「……初級だったら、何でもでもいいんだよね」


タイミングを見計らって魔法書を閉じた。


レイを避けてバラバラと落ちていく、大きな氷の欠片。


呆然とするロイドに向かって魔法書を地面に置き、走り出した。


「!」


距離を一気に差を詰めロイドの目の前に迫り、


――シュルッ


「「「「……あ」」」」


「……」


「ふふっ」


ロイドの後ろに立つレイの手には、ロイドが結わえていた細長い黒のリボンがあった。


長髪を下ろした姿のロイドが身を見開いたまま固まっている。


レイがニコリと笑った。