「ファイヤー・ドラゴン」


気のせいだろうか、ロイドの声がいつにもまして低くなっている。


それに気付いたのかマリーヌもレイを応援していたジュリア様も地面に着地したダァチさんとソールもロイドを見ている。


火を纏い、姿を表したドラゴンが火をレイに向けて放つ。


「のあ゙ーっ!!」


悲鳴とも思えない絶叫を上げた。


「ロイド君、何か…怒ってないかい!?」


「気のせいだ」


ロイドはこれまで以上に不機嫌になっている。


これを気のせいとは言えない。


「何があったんだよ。 まさか、睡眠不足なのにレイに朝早く起こされたからか?」


「お前じゃあるまいし」


腹が立つ事言われた!


「じゃあ、何なんだよ! レイに何か恨みでもあるのか!?」


「………………ない」


え、今の間、何?


「初級の段、ソリディフィ!」


遠く離れた所からレイの声が響いた。