レイは壁に寄りかかって立っている。
「あぁそうだよ。 レイはお節介だ」
「「「……!」」」
そんな状態のレイをいつもの表情のロイドが馬鹿にした。
「お前、魔力が完全に戻ってないだろう。 見た目、動きが以前と打って変わってヒドすぎる!」
「ろっ、ロイド君! それは言い過ぎだよ!」
ニーナの言葉にコクコクと真っ青になったナルシスが頷く。
「そうか? 相変わらず突っ走って、自らを傷つける…明らかに自己犠牲を繰り返そうとしてるだろう」
「……っ」
壁に触れていた手に力が入っていく。
「そんなに俺らが頼りないか?」
レイはすぐさま首を横に振る。
「じゃあなぜ誰の手も借りずにここまで来た?」
「……!」
「……それが人に頼らない証拠だ。 それともあれか、迷惑をかけると思ってんのか?」
「……」
無言、これは肯定と見てもいいのか?