「レミ、リアの、魂がオレ、の中に、ある。 けど、返す、よ……」
ギレルの目から涙が流れ出した。
「オレ、馬鹿だ、った。 人に、頼らずと、も生きて、いけると思、った。 道を踏、み外して、もう戻、れないと、気付いたと、きには遅、かった……」
……ギレル。
「オレは、どうなん、だ、ろうな。 死後の世界、にいけ…る、だろ……か」
「行ける。 あたしが逝かせてあげる」
ギレルは一人苦しんだんだろうか。
大罪によって殺されて、何千年を生きてきた。
その間にギレルがどんな人と関わったかなんて分からないけど……。
あたしは目を閉じた。
「ギレルの来世が道を誤らないように祈るよ」
あたしは魔法書を開き唱える。
「……上級の段、ビュリィ」
ギレルの身体が輝き始める。
足元からサラサラと砂のように消えていく。
胴体まで来たときギレルはニコリと笑顔を浮かべた。