レンガ状だったハズの地面が所々抉れ、土が見えている。


天井は元からないからいいけど、壁一面に穴が開いている。


今のが原因ではないと思いたいけど思えない。


「ハァハァ……」


意識が朦朧としてきた。


後、これだけだから頑張ってくれ。


傷だらけの身体だが、まだ歩ける程の力は残っている。


普通のスピードでは無理だけどね。


ズルズルと片足を引きずり、閉じた魔法書片手に向かうは皆の所。


……ではない。


体中を針で突き刺され、動かないでいるギレルの近くまで歩いた。


ギレルの近くまで行くと膝を突いた。


今まで動かしていたものはいなくなった。


ギレルはもう生ける屍ではない。


……眠らせよう。


「……レイ、リア」


ギレルの目が半分開いた。


「……なんで」


あたしが聞くとギレルの口角がゆっくりと上がる。