「……浅かったな」


苦笑いをし、剣を構え直す。


アレンさんの動きは速すぎて、目で追うのに必死になってしまった。


剣と爪がぶつかり合う度に距離を置き、間合いを詰める。


……場所を予測しろと言われたけど分からない。


無闇に放ったらアレンさんに当たってしまうかもしれない。


「……イースターの娘、焦るのはわかる。 深呼吸してみよ」


「……?」


「いいから」


精霊妃様に言われたとおりスゥッと息を吸った。


……ハァ。


息を止めてた事にそこで気付いた。


「どうじゃ、落ち着いたか?」


「……はい」


精霊妃様はニコッと笑いあたしの頭を撫でる。


「まずは落ち着いてよく観察するんじゃ。 お主はカンが鋭いからのできるハズじゃ」


「……」


コクリと頷き、アレンさんの方を見る。


焦る事ははなくなっていた。