「……ウソ」


こんな事ってあり得るの?


「……そう思ったけどダァチ君だけだと無理だよ。 なにせ数千年もの期間が経ったからね」


トントンッと飛び跳ねながらアレンさんは答える。


そういえばダァチも数回跳ねてから剣振るってたような……。


「精霊妃様、彼を降ろしてください。 レイは場所を予測して魔法とかを出せばいい。 私はそれまでの繋ぎ役だ」


「わかりました」


魔法書を開き手を翳す。


「準備はできたようじゃの。 では…行くぞっ!」


足元から焔が現れる。


両手を振り回しギレルに狙いを定める。


「せあっ!!」


焔が球状となりギレルに勢いよく衝突した。


‘グギャアッ!’


黒い煙から飛び出したギレルがアレンさんに飛びかかる。


アレンさんは間合いを詰めるかのように飛び出した。


――ズシャッ


切り裂く音が聞こえたがギレルはよろめかない。