「ほら、次はイースターの娘の番じゃぞ」


「え!?」


やるんだ、自己紹介。


「レイ、特徴を言えばいいんだよ」


アレンさんはアドバイスをくれた。


……特徴。


「わ、我が名はレイリア・イースター。 ……魔法書使いだ!」


「「10点(じゃの)」」


「低っ!」


あたしが言い終えた後、ギレルは頭を下げる。


「オレはギレル・アシェラ。 フルネームを名乗ったのは久々だが、こうやって敵を迎え撃つのが主流だったな」


――パチンッ


足元の影がギレルを包んだ。


完全に覆い尽くし、膨らみ、形を変えていく。


「……!」


ピリピリした雰囲気が漂い始める。


「……何かくるね」


「うむ」


形が浮かび上がった。


四足歩行、鋭い爪に牙、黒い体毛の獣。


‘フシャアッ!!’


鋭い爪が切りかかってくるのをすぐさまよけた。