「……ケホッ、さっきと雰囲気全然違うけど」


焔が黒く染まり消え、姿を表す。


所々焦げてボロボロになったローブを脱ぎ捨てた。


「! お主、その服……」


サラサの目が大きく見開いた。


「え? これ結構古い服装なのに分かるんだ…キミも数千年前に生きてた人?」


「わらわはそうだ。 だがサラサは今を生きている」


「要するに、精霊姫の身体を借りてんだ。 スゴい火の霊力さすが…"初代精霊妃(セイレイヒ)"だね」


「「……!?」」


"精霊姫"はサラサの別名だけど精霊妃って……。


「わらわを知っているのか?」


「えぇ」


スッと表情が無になる。


「それより…レミリアは返して貰うよ?」


「……っ!」


見据えられ、身体が震えた。


とっさにレミリアに覆い被さる。


――パァンッ


「くっ!」


黒い鞭のような細いものに叩かれる。


何回も何回も……。