レイの指示通りに少し離れた。


ニーナが魔法書を開いたのを確認するとレイは目を閉じる。


「リュウキ達が来るまで霊力でやってみたけど、ダメだった…残るは無属性だけ! リスィーブ!」


――ガシャンッ


唱えたと同時に地面に落ちる手錠。


そのまま、片手を俺の方へ…ではなく、後ろの牢屋に向けて横に振った。


――ガシャーンッ


「だぁっ!」


後ろの牢屋の扉が倒れてきたのをすんでのところでよけた。


「これ、死刑囚がつける手錠なんだよ? これをあたしにつけるなんてね」


ポイッと後ろに投げ捨てて、レイは牢屋からでた。


「手間をかけて悪かったね」


ニーナから魔法書を受け取り、閉じる。


「早く上に行こう! ロイドとナルシスが足止めしてくれてる」


「――……その必要はないよ」


`!!?´


牢屋の入り口に視線を向けた。