「全部、レイの指示通りよ。 まぁ、姿を消して忍び込んで話をした時もあったわ」


アクアを眉を寄せ、質問に答えた。


「……衛兵が来る気配もない。 行くのは今のうちだ」


ロイドを先頭に物陰から出て、走り出した。


左に曲がり、走る。

「あそこっ! あそこにレイが……!?」


アクアの動きが当然止まった。


地下室があるであろう通路の所から誰かが出てきた。


全身を黒ローブで覆い、顔が見えない。


『"黒ローブ"の男に会ったら戦うなんて考えずに逃げて』


レイが言っていた言葉を思い出した。


スッと黒ローブは手を前にだす。


ブワッと黒い何かが手に集っていく。


「よけろっ!!」


ロイドの叫び声と同時に黒何かが光線のようにまっすぐに飛び出た。


「うっ!!」


「きゃあっ!!」


空気の流れが一気に寄せられ、目を閉じた。