二つのファイア・トルネードはあざ笑うかのように、ぶつかり合いながら衛兵を追いかけ回す。
火の粉を散らし、威力を増しながら……。
「いくよっ! ここで立ち止まっている暇はない」
フレイムが先に飛び出した。
「フレイム! 一人は危険ですわっ!!」
アクアが後を追いかけ、
「ファイア・トルネードは一時俺らを阻む物を避けさせるためだ。 王宮に入った瞬間収める」
「わかった!」
茂みから飛び出して、一気に王宮の中へ飛び込んだ。
そこからは衛兵に見つからないよう、物陰に身を寄せながら地下室の通路を探す。
「地下室は後、左を曲がっての先にありますわ」
「……レーちゃんはリュウキ達が来たのを合図に動き出すみたい」
アクアとリーフが先の通路を指差して言う。
「あの後からレイと会ってないのに、どうして詳しいんだい?」
ナルシストが場違いの質問を投げかけた。