「さ! 今日は疲れたでしょ? 部屋はとってあるから行こう!」


「僕が荷物持ちますね」


ダァチは早速とサラサとジュリアのキャリーバックを手に階段に向かっていった。


「ダァにぃ待ってー!」


「ジュリアちゃん、走ったら転ぶよ?」


ジュリアとサラサがその後を追いかけた。


あたしも後に続こうとしたが、ソールに腕を掴まれた。


ソールは何かを言い足そうに口を開いたり、視線をそらしたりとしている。


「あのさ……」


「な、何?」


一瞬、緊迫感を感じた。


やがてソール一息ついてからギュッと掴んでいる手をパッと離し、


「……やっぱりなんでもない」


あたしの横を通り過ぎて階段を上って行った。


「……?」


あたしはソールの後ろ姿を見て首を傾げた。




***