[なんだよっ! 折角助け舟を渡そうとしたのに]


「助け舟がキスなのかっ!? 小さな光はわかる、だがキスは分からないなぁ!!」


このままだと殴られかねないと悟ったノルンは青ざめ、


[す、すまん! キスは冗談だ。 だがこれは本気だっ!!]


ノルンは再び両手を向かい合わせにし、小さな光を出す。


光がフワリと浮かびあたしの目の前に飛んできた。


「これを…飲み込めばいいの?」


恐る恐る指先で触れるとパァンッとはじけ、スウッとあたしの体内に吸い込まれていった。


パアアッと身体が輝いて、しばらく経って止んだ。


「レイ?」


アレンさんはあたしから離れ心配そうに見ている。


自身の身体を見てもどこも変化がない。


[今回だけだからなっ]


ノルンにニヤリと笑い、スッと手を前にだす。


「待ってよ! この光は何だったの!?」


――パチンッ