『……レミリア』
あたしが静かに名を呼ぶと、ビクリと肩を震わせてこちらを見る。
『あ、あら…ワタクシに何のご用?』
すぐにギッと睨み付けて声を張り上げる。
『……レミリアの偽りだったんだね。 いつものレミリアに戻ってよ』
あたしがレミリアを見据え低めの声で話すとブルブルと震えだし、
『レイ…あなたレイリアなのねっ!!』
『……』
抱きつかれたので黙ったまま頷くとレミリアは涙を流した。
『……どうしよう。 ワタ…ワタシ、一ヶ月と少し前の記憶はないの』
レミリアが言うには机の上にあった日記帳を開いて、読んだとき気づいたとの事。
使用人を無理やり雇った事、謁見の場で手をあげた事、そしてマリーヌとの晩餐会でとんでもない発言をしてしまった、など。
『細かく記されていて、しかもワタシの字だし寝室からでると知らない使用人が跪いていたし……』