「……なんであたしなんかが美形と…嫌がらせか何か?」
[……自身の容姿に鈍感なのは相変わらずか]
ノルンはハァと溜め息ついた。
[いい加減に体制を戻したらどうだ?]
最もな事を言われカァッと赤くなる。
「手錠が邪魔して体制変えられない!」
て言うかあたし"あの後"手錠されたんだ。
無重力状態の中で手錠の重さだけがハッキリとあたしの現在の状況を知ら示ている。
ここだけの話、実はあたしの"意識"だけがここに人格としてある。
夢を見ると同じ作用だ。
今頃はあたし"本体"は眠っているだろう。
「だったらさ、ノルンが助けてよー」
世界に手出しするのは神のルール違反に値する。
でもここは星々が連なる場だからいいでしょ?
そう思った矢先、誰かがあたしの体制を戻してくれた。
ノルンではない誰かが。
「大丈夫かい?」
その声にあたしは目を見開いた。