〈side. Rei 〉
――――……
[……レイ]
誰かがあたしを呼んでいる。
[レイ、起きなさい]
凛とし心地いい声。
確か五にもならなかった時にも聞いたことがある。
重い瞼をゆっくりと持ち上げた。
「……」
知らない空間にポツンと一人で浮かんでいた。
上は真っ暗…所々にビッシリと"星"が散りばめられている。
下は白いフワフワ(雲)が流れていて、隙間から青い海や緑や茶の地面がはるか下降にある。
……ここがあたし達人類、全種族が住む世界だとは皆知らないだろう。
――ガシャン
「……え?」
金属のぶつかり合う音が聞こえ手元を見ると鉄の分厚い手錠に繋がれていた。
……これに白ワンピースって、どういった組み合わせなの?
肩幅がやけに開いたワンピース、丈が膝下なのが幸いだ。
あたし以外にいないわけではなく、少なくともどこかにいるはず。