――パチンッ
「!」
黒ローブが指を鳴らした瞬間、金縛りが嘘のようで、動けるようにはなったけどへたり込んでしまう。
「なにすんのっ!!」
声も出たが、立ち上がろうにもできない。
まるで身体が鉛になったようだ。
「アハハッ、だって術解いたらいきなり殴られかねないもん」
「当たり前だ! 散々好き勝手やったクセに!!」
「……後、レイリアだけに教えてあげる。 僕の名前はギレルだよ」
黒ローブじゃないからね、と人差し指を口元に当ててクスッと笑った。
「"また"会おうねっ」
言葉を合図に黒ローブが急激に膨らみはじめ、はじけた。
音がなく、黒ローブ…ギレルが消えた瞬間身体が前にのめり込む。
地面にうつ伏せになったあたしはドッときた倦怠感を身体全体で受け止めた。
"また"って言っていたが、冗談じゃない。
けど、奴が黒幕なのは確かだ。