……下僕?


そこでハッとした。


ある時には温厚な性格が急に短気になったり、またある時は食欲が異常となり人を喰おうとした……。


全ての闇を統治し、再び世界の滅亡を企んでいるのが目の前にいる黒ローブ。


――ヒタッ


「!?」


黒ローブの手があたしの太ももに触れる。


声が出なかったと同時に金縛りに合ったように動けなくなった。


「僕の下僕が次々と消されていくからさ。 どんなヤツが僕の邪魔をしてるのかなと思って、おびき寄せてみたんだ」


鼻歌混じりに手があたしの身体に触れていく。


「(気持ち、悪いっ)」


ギッと睨みつけると、黒ローブの口元がニヤリと歪み、あたしの胸を掴んだ。


「(……っ!?)」


「……そしたら、すっごい美人だった。 世界に稀しか存在しない魔法書使いだし…それに、僕好みだし?」


ぐっと顔を近付けてくる。