「……あんな小さい女の子がここ通る訳ないか」


……場所見間違えた?


何せここから先は行き止まり…現に、裏路地の壁を触っている。


仕方ない…見失ってしまったのは悪いと思ってるし、いずれ再び会ったら話し掛けよう。


踵を返そうと一歩引き、


「――……コンニチハ」


「!」


突如背後からの低い声が耳元で囁かれる。


気配、感じなかった!


「……っ!」


振り向き様に拳を作り、背後の人物に振った。


だが、


――パシッ


「なっ……ゔ!!」


拳を受け止められ、さらに壁に押し付けられる。


向き合う形となったため人物の姿を見る事ができた。


声色からして男、服装は黒ローブで口元しか見えない。


……"黒ローブ"!?


「――――」


声が出ない!!


「この前は僕の下僕が世話になったね」


黒ローブの男はあたしを見てクスクス笑い始める。