〈side. Rei 〉

「……俺も実家に送るのに買おっかな?」


リュウキが便箋を一枚取りジッと眺める。


「行ってきなよ。 ここで待ってるから」


「……」


リュウキは何も言わずカウンターに向かった。


……両親、か。


ふふっ、リュウキは家族思いなんだね。


――クイッ


「わっ!」


急にスカートの裾を引っ張られて、慌てて視線を向けると小さな女の子が立っていた。


目から涙が溢れていて今にも泣き出しそうだ。


女の子はギュッと人形を握りしめて走り出した。


「待って!」


すぐに追いかけようとしたが、何も知らないリュウキが戻って来た。


「リュウキ、ちょっと行ってくる! すぐに戻ってくるから!」


「え、レイッ!?」


リュウキに魔法書を渡して走り出す。


「……っ、確かこっちに行った気がしたけど」


いつの間にか裏路地まで来てしまっていた。